日本酒をおいしいと思うたび祖父母を思い出す
日本酒酒蔵の街で・・・
20代のはじめに住んでいた街は、日本でも有数の酒蔵の街。
毎年秋になると、地元の酒蔵を中心に日本酒の飲み比べができる祭りが開かれます。
その祭りに行くまで、おいしいと思えたお酒は、梅酒や甘いカクテル系のお酒だけ。
おこちゃま舌なので、ビールはおいしいと思えなかったし(それは今でも変わらない)、日本酒や焼酎は飲んでみようとも思わなかった。
でも、せっかくの酒蔵の街、500円ぐらいで複数飲み比べができる祭り。
せっかくだから飲んでみようと行ってみたら・・・
おいしい・・・!!
香りもすっごくよくて、口当たりもまろやかで、めっちゃくちゃおいしい!!
初めて日本酒のおいしさを知りました。
本場の酒蔵の日本酒が、こんなにおいしいものとは想像もしていなかった。
飲み比べなので、いろんな日本酒が飲めます。
お酒によって香りも味も違うし、まったりなのかすっきりなのかも違うし、日本酒の奥深さにも触れることができました。
日本酒がおいしいと思えた瞬間、自分が大人の階段を一歩のぼった気持ちになりました。
日本酒を飲むと祖父母を思い出す
日本酒を飲むたび思い出すのが、おじいちゃん・おばあちゃんのこと。
ふたりはお酒が大好き。
それぞれ好みが違うので、自分の好きな日本酒を一升瓶で買い、ゴクゴク毎日晩酌してました。
おじいちゃん・おばあちゃんが楽しくお酒を飲んでる姿が大好きでした。
夕飯の時間になると、押し入れから一升瓶が出てくるんですよ。
一升瓶が2本。どーんとちゃぶ台に、2本。
おばあちゃんの大好きなお酒が、わたしが暮らしていたところの酒蔵のお酒で。
帰省時にお土産に買ってくる銘柄を指定されました(笑)
若い女子が一升瓶を抱えて帰省って、今思うとちょっと怪しいですよね。
子どもの頃、ペロッと日本酒を舐めさせてもらったときは、まったくおいしいなんて思えなかったけど。
20歳を超えて、おばあちゃんと一緒に買って帰った日本酒を飲んだときは、すごくおいしかった。
おじいちゃん・おばあちゃんが、わたしと一緒にお酒を飲めるようになったことを喜んでくれたの、よく覚えています。
もっともっと、おいしい日本酒を一緒に飲みたかったな。
酒蔵の街に暮らしている間に、遊びに来てねと呼んであげればよかったな。
今でも日本酒がたくさんある居酒屋に行くと、おばあちゃんが好きだった銘柄を探してしまいます。
東京にはあまり置いてないのが残念だけれど、あれば必ず飲んでしまう。
ふたりが天国で、雲のテーブルの上に一升瓶2本ドーンと置いて、楽しくお酒飲んでますように。